この事件では、特定の微細結晶(粒径0.5~20μm、結晶化度40%以上)の発明について進歩性が争点となりました。裁判所は、相反する技術効果(溶解性向上と安定性向上)を持つ技術を組み合わせる動機付けが当業者にはないと判断し、特許庁の進歩性認定を支持しました。この判決は進歩性判断における「阻害要因」の重要性を再確認させるものでした。相反する技術効果を持つ場合、その組み合わせには合理的な動機付けが必要とされます。このような論理構成は、進歩性を肯定する主張の際に、主引例発明と福引例発明を組み合わせる動機づけがないことを主張することが、有効な手段であることを再確認できたもの言えます。
「微細結晶」事件(令和4年(行ケ)第10064号)

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